つたえる

えど丸くんはこうして生まれた― 後編 ―

さて、今回もスピンオフ企画「えど丸くんはこうして生まれた」を引き続きお届けします。

前編ではキャラクターが生まれた経緯と名前の由来のお話でした。続く後編はえど丸くんのビジュアルについてのエピソードをテーマにしてご紹介します。

【メンバー紹介】

テルオさん。笑うセールス担当 兼 眠っていたえど丸くんを表にひっぱり出してきた人。望んだわけではないけれど他人に振り回されがちな人生を過ごしている。休日は近所の子供たちのおもちゃ的な存在として重宝されているらしい。
ハナさん。入社2年目のイラスト担当。
最近は来る日も来る日も集中してえど丸くんを描いているため、電話に出るとき「えど丸くんじゃ」と言いかけてしまったとか。いろんな意味で毎日が緊張の連続。
モグラさん。えど丸くん生みの親で二児の父。
裏路地に漂う風情とその無防備さがたまらなく好き。ついでに歴史好き。
“そうそうそう”と“まぁまぁまぁ”が口ぐせ。

 

見た目より中身が大事、とはいえ

生まれたてのえど丸くんはこんな感じだったんです。

 

 

おー、今とちょっと違う。
プロトタイプ、って感じですね。
カワイイ!
なんか逆に新鮮ですね、身体がちっちゃい(笑)
で、ちゃんと作ったのがこれ。

 

モグラさん、イラレ* 使えたんですね。
意外~(笑)

*Illustrator:描画ツールソフト

ん?
エクセルだよ、これ。
!!?
…ちょっと言ってる意味が分からないデス…。
あのー、Excelって表計算ソフトですよ…?
だってしょうがないじゃん。オフィス系のソフトしか使ったことないし。
まぁまぁの出来だし結果オーライってことで。
発想はめちゃくちゃだけど何とかしようとするその姿勢だけは褒めてあげたいですね、とりあえず。
そうそう。自分の非力さを嘆くんじゃなくて、与えられた戦力で大きな力にどうやったら対抗できるかを考ることが大切なわけで…。
戦力…イラレが大きな敵…ってこと…?
んんん…。
いやいや、真剣に考えちゃダメですよ。
でも、どうやってエクセルで作ってるのかちょっとだけ見てみたい気もするけど。
まぁ、それはまた別の機会に。
あれ?
ということは、もしかしてモグラさんのアイコンのイラストも?
うん、もちろん。
ところでえど丸くんのビジュアルって、名前を付ける時と同じでやっぱり“江戸”から連想してるんですよね?
おっしゃるとおり。
まぁ発想は安直でまったくひねりもないけど、サムライはキャラが立ちやすいし差別化できるからイメージが人の記憶に残りやすいですよね。
安直…ひねりがない…まったく…?
たとえば動物なんかはキャラクターにしやすい反面、世の中に数も多いからよほど抜きん出たものがないと埋もれちゃいますよね。サムライのキャラはある意味ニッチだし、目の付け所はすごくよかったと思いますよ、結果的に。
結果的に…。
たまたま…偶然…まぐれ….。
まぁまぁ、穏便に(笑)
ビジュアルでこだわった部分ってあるんですか?
親しみやすいキャラクターにしたかったから、丸っこい・無邪気・ほどよいゆるさみたいなものをイメージして描いていったら適度に間の抜けた顔になってくれた(笑)
偶然の産物ですね(笑)
偶然…。
まぁ、間違いなく言えることは決して緻密な計算があって出来上がったキャラではないってことですな。
計算しすぎないっていうのも大事なことかもしれませんね。まずは直感で!
ところで、かわいらしいキャラクターって一般的には目が大きくてクリっとしてるイメージですけど、えど丸くんは正反対ですよね?
点、だもんね(笑)
いくつかパターンは作ってみたんだよね、それこそ今言ってた大きくてクリっとしたパターンも。で、並べて比べてみたんだけどやっぱり“点”がいちばんしっくりきた。いちばんユルさが出てるかな、と。
私、試しに大きい目をしたえど丸くんを描いてみたんですけど、ものすごい違和感でしたよ。なんか受け入れられない感覚でした(笑)よくよく見てみると絶妙なバランスで配置されてますよね、えど丸くんの顔って。
そんなわけでビジュアルが出来上がったんだけど、完成後に一つ困ったことが起きたんです。
と言いますと?
ちょこんと生えてるヒゲ、ここを目だと思ってる人が続出してしまったわけで。
なんと!?
でも見えますよね、たしかに(笑)
エビス顔ですね(笑)いったんそう捉えちゃうと目にしか見えなくなってくる…。人の視覚って不思議ですねぇ。
性格とか背景・ストーリーも大まかに作ってあったんだよ。あと、絵のパターンもいくつか。

 

 

おぉ!
コンセプトシートみたいなものですね。
キャラクターを作るうえではとても重要になってきますよね。
パンダと一緒に寝転んでるカット、LINEスタンプにありそうですよね。
そう!まさにLINEスタンプをイメージして描いたんです。
だから作ってみたの、エクセルで。

 

 

ゆ、ユルい(笑)
いいじゃないですか~。
でも「おひるねじゃ」ってメッセージを送る場面、ありますかね~(笑)
ん~、ボツですね、これ。
むむ…。

 

えど丸くんに救いの手を

今ではすっかりTwitterやInstagramで活動してますけど、最初の頃はなかなか活躍の場を用意してもらえなかったんですね。
そうなんですよ。作ってはみたものの活躍するシチュエーションを生み出してやれなかったし、何とかして活かしていこうっていう空気にもならなかったなぁ。そもそも発想が逆だったんですよね。何か問題や課題があるうえで「そうだ、キャラクターを作ってみよう!」となればスムーズに事が運んだんじゃないかな。
見事にほっとかれたもんね(笑) 個人的にはPCのデスクトップ画面に使ったり社内資料のすみっこに貼り付けたりして使ってた。軽い気持ちで作ったんだけど気づけばすごく愛着が湧いちゃってたから、なんとか死なないように延命措置を繰り返してた(笑)誰も触れてくれなかったけどさ。
延命措置(笑)
よかったね、えど丸くん。で、えど丸くんの活躍できるシチュエーションとしてSNSを担当してもらったってわけですね?
どっちかって言うと逆かな。会社のSNSに力を入れていこう、ってなって何か良い方法がないものかと悩んでいるところでテルオさんが閃いた。
えど丸くんがいるじゃん!って(笑) 
キャラクターって親しみを持ってもらえるしコミュニケーションツールとして最適だよなぁって。人や企業とつながりを作るための力となってくれる。ついでに言うと、みんなでひとつのものを共有することになって不思議とつながってる感覚が生まれる。だから前よりも社内に良い風が吹いている気がします。
えど丸くんTwitterではとんとくるのTwitterとは違う角度からつぶやいてますよね。
割と自由につぶやいてもらってます。キャラクターのSNSってある程度無理が利くんですよね。
無理が利く?
たとえばけっこう突っ込んだことを投稿したとしても“ちょっとちょっと、えど丸くん”、みたいな感じで許されるような空気になったり。
それって責任転嫁じゃないですか~(笑)
人間にもたまにいますもんね、そういう人。不思議と許されちゃう得な人。
うらやましいですよね(笑)
私なんか許されない人の代表みたいなもんで…。まぁ何にせよえど丸くんは想像以上に広報の役割を全うしてくれています。キャラクター自体も好評だし、今後もどんどん露出を増やしていきたいですね。

 

調子に乗り過ぎはいかんのじゃ。

 


 

いかがでしたか?
紆余曲折を経てやっと活動できるようになったえど丸くん。
みなさま、今後もあたたかい目で見守っていただければ幸いです。