スマホ片手に会話するスーツ姿のビジネスマン、流行のデバッグを背負って足早に過ぎる学生、行き交う車のエンジン音。
多くの人と喧騒に囲まれた本郷三丁目駅界隈。
少し視線を上げてみてください。
本郷通りに続く銀杏並木。その枝葉の間から見えるヱチソウビルの文字。
ここに戦前に建てられた趣のあるビルが立っていたのをご存じでしょうか。
このビルは関東大震災の復興建築で、建てられたのは昭和初期頃ではないかとのことです。
ざっと90年は経っているのかもしれません。
その長い歴史の中で本郷の街の移り変わりをずっと見守ってきたんでしょうね。
一部のレトロ建築好きの間では有名なビルだそうですよ。
戦前までは糸問屋である越前屋さんの店舗でした。
今は飲食店や企業など複数のテナントが入っていますが、このレトロなビルの2階に素敵なお店があるんです。
【珈琲FARO】癒しと学びが溢れるやさしいカフェです。
1階の飲食店に挟まれた隙間に“FARO COFFEE&CATERING”とペイントされた木の階段があります。
古い建物なので少し急で狭いのですが、この階段、秘密基地に入るみたいでワクワクします!
のぼった先の店内は階段とは対照的に明るく広々としていて開放的。
足元に広がるチョコレート色の板張りの床。こちらはなんと糸問屋時代からの床板だそうです。
そして当時の駆体剥き出しのコンクリートの壁。
そこへ新しく備え付けられたカウンターやインテリアが並び、リノベーションによって新旧の調和がオシャレな空間になっています。
たくさん並んだ窓の外は銀杏並木で、黄葉の季節は窓辺の席が特におすすめですよ。
外の喧騒はどこへやら。
落ち着いた静かな時間が流れる店内。
そんな非日常的な空間でいただくコーヒーやスイーツは格別です。
お昼はランチメニューもあります。
本日いただいたのはチキンとトマトのカレー。
とにかく彩りが美しく、もう見た目からして美味しそうです。
同行者はピンクに染められていたレンコンにことに感動していました。
(私はスパイスの香りにも食欲がそそられて、正直撮影そっちのけで早く食べたかったです)
抜群の配色センスと盛り付けの美しさ。
実は珈琲FAROのオーナーさんは、元々グラフィックデザイナーをされていたそうです。
味のみならず、見た目も追求したこだわりと美味しさには脱帽です。
カレーはトマトでさっぱりとしていて、チキンがほろほろに柔らかくて美味しいです!野菜がたっぷり食べられるのもありがたいです。
その他、ハンバーグやサバサンド、気まぐれランチという常連さんにもうれしいメニューがありました。
おすすめのエスプレッソチーズケーキは、自分でエスプレッソを注ぎます。
これ、ちょっとテンション上がる瞬間ですね!
お味はほろ苦で食感とろとろのふわっふわです。
そしてコーヒーもいただきましたが、こちらのカップはオーナーさんが益子の成井窯さんから直接買い付けているカップなんです。
これらは規格外となってしまったカップもあるそうですが、普通に使うには申し分ないものばかりです。
手馴染みがよく、ほっとできるやさしいカップです。
ぜひ皆さんもこのカップを片手に、本郷の歴史に思いを馳せながら珈琲FAROで素敵な珈琲タイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。
珈琲FAROはお店を構えてからまもなく7年を迎えます。その間、時代の流れや新型ウイルス感染症の流行もあり、本郷界隈も人の流れも少し変わってきたそうです。そういった中で、地域の方々の求める形やオーナーさんの目指したい姿に合わせ、少しずつ珈琲FAROのあり方も変えているとのこと。
まだまだ進化しそうな珈琲FARO。本郷の街に新たな歴史を刻んでいく存在となりそうですね。
珈琲FAROでは、ミニコンサートなど様々なイベントを企画しています。
伝えたい・受け取りたい・学びたい人のためのカルチャーのターミナル的スポット「ファロ大學」も開講しています。
詳細はWebサイトおよびSNSをご確認ください。
今回のイラストレポートはこちら ✏️
【 珈琲 FARO】
〒113-0033 東京都文京区本郷2-39-7 エチソウビル 204
【ファロ大學】
珈琲 FAROという場を使って、様々な「知りたい」「知ってほしい」を繋げ、学ぶことができる場。
新連載「とんとくるすぽっと」ではイラストレーターのハナが本郷・湯島を中心に魅力あるスポットをイラストとともにご紹介していきます。
次回もお楽しみに!
【とんとくるすぽっとカード】
掲載スポットには“とんとくるすぽっとカード”を置かせていただいています。
気になる方は「珈琲 FARO」でGETしてください!