とんとくる家の食卓

第8回 今こそ野菜をたくさん食べよう!寒い冬にぴったりな長崎県対馬の郷土料理「いりやき鍋」

近頃スーパーの野菜売り場に行くと、白菜、春菊、キャベツ、小松菜などの葉物野菜の他、にんじんや大根、かぶなどの根菜も冬が旬とあってたくさん売り場に並んでいますね。また、驚くのはその安さ。あれもこれもとうっかりすると買い物かごが腕に食い込むほど詰め込んでしまう……なんてことも。2021年の秋は野菜の生育に良い気候の日が多く、豊作だったことも野菜が安く並ぶ一因となったようです。一部例外もありますが、概ね例年より安くなっているようです。
消費者にとっては嬉しい限りのこの状況、生産者側からしたら厳しいという声も聞こえてきます。コロナ禍による外食業界の低迷もあり、豊作にもかかわらず消費が追いついていない状況も見受けられます。フードロスがたびたび問題になる中、私たちにできることは何でしょうか。…そう!食べることです!
とにかく今安い野菜をもりもり食べて消費しよう!と今回の企画をしました。野菜を食べるにはやっぱり冬だし鍋料理?でもなんだか毎回同じような鍋で飽きてきた…なんて方に、長崎県対馬の「いりやき鍋」をご紹介します。まだこの鍋料理をご存知なかった方は、ぜひお試しください。
実は新しい鍋料理を探していたのは、今回の記事を担当させていただいた私自身なんです。今回私も初めて知った料理なのですが、とってもおすすめですよ!

「いりやき鍋」とは?

長崎県の離島、対馬に伝わる郷土料理で、年末年始や人が集まる際によく作られてきました。海に囲まれた島だからこその新鮮な魚、または対馬地鶏がメイン食材です。魚はブリを“あら”ごと使います。メジナやヒラマサ、アナゴなどを使う場合もあるようです。作り方や味付けなどは地域や家庭によっても違いがあるそうですが、魚または鶏肉と野菜をたっぷり使う醤油味の鍋料理ということは共通です。〆として、そうめんやそばを入れて食べるのが対馬流だそうです。

いりやき鍋の作り方

材料[4人分]

ブリ……5切れ
ブリのあら……適量(※約1尾分。今回はブリ大根用として売っていたものを使用)
鶏もも肉……1枚分
白菜……1/8カット
ネギ……2本
春菊……1把
しいたけ……6個
しめじ……1/2株
大根……5cm
にんじん……1/2本
豆腐……1/2丁
しょうゆ……大さじ5
みりん……大さじ3
酒……大さじ3
顆粒昆布だし……8g
サラダ油……適量
水……5カップ

※豆腐を一緒に撮るのを忘れました。

1.材料を切る

 ・ブリ……食べやすい大きさ
 ・鶏もも肉……一口大
 ・白菜……5cmくらいでざくぎり(芯と葉に分けておく)
 ・ネギ……3cmくらいで斜め切り
 ・春菊……茎の硬い所を取り除き、房ごとに切り分ける
 ・しいたけ……石づき部分は切り、軸は残す
 ・しめじ……小房に分ける
 ・大根……厚さ5mmくらいで半月切り
 ・にんじん……厚さ5mmくらいで輪切り
 ・豆腐……12個に角切り  

2.ブリのあらを水でさっと洗う。臭みを取るためザルに入れ熱湯を回しかけ霜降りにする。

3.フライパンでサラダ油を熱し鶏もも肉を軽く焼く。

4.ブリの切り身は大さじ1のしょうゆで下味をつける。鶏もも肉と同様にブリの表面を軽く焼く。

5.土鍋に水、顆粒昆布だしを入れ火にかける。煮たったらブリのあらを入れ強火で10分程度煮る。
酒、みりん、残りのしょうゆを入れる。

6.鶏もも肉、大根、にんじん、しいたけの火の通りづらい材料を入れ、数分煮る。
続けてブリ、白菜の芯、しめじ、ネギ、豆腐。
最後に、春菊、白菜の葉を入れ煮えたら出来上がり。

7.鍋の〆にそうめんを入れ、温めて食べる。(そばにかけてもおいしいらしい)

おまけレシピ!ささっと簡単、今が旬のにんじんを丸ごと1本使った「はちみつとレモンのキャロットラペ」

長崎県対馬の特産のひとつとして「はちみつ」があります。対馬のミツバチは全て日本固有のニホンミツバチで、野生的で飼育が難しく、そのはちみつも希少だそうです。
今回、対馬産のものではありませんが、はちみつと今が旬のにんじんを使った「はちみつとレモンのキャロットラペ」のレシピをご紹介したいと思います。
春には甘さが増した雪下にんじんも店頭に並ぶので、常備菜として作り置きするのもおすすめです!

はちみつとレモンのキャロットラペの作り方

材料

にんじん……大きめ1本
塩……小さじ1
A.はちみつ……小さじ2
A.レモン……1/2個 (またはレモン果汁……小さじ4)
A.コショウ……少々
A.オリーブオイル……小さじ4

1.にんじんを千切りにし、ボウルに入れ塩を振る。塩を揉み込み、ラップをして10分ほど置く。

2.Aを混ぜ合わせドレッシングを作る。

3.1のにんじんから出た水分を捨て軽く搾る。2のドレッシングを入れ混ぜ合わせる。

4.ボウルにラップをかけ冷蔵庫で冷やしたら完成!
(盛り付けの際に、スライスレモンやパセリを乗せるとオシャレ。今回はにんじんの葉を飾ってみました。)


今回は、長崎県対馬の郷土料理「いりやき鍋」をご紹介しました。さまざまな作り方がある中の一例として今回のレシピで作ってみましたが、先にブリと鶏肉を炒めずに生のまま鍋で煮込む方法や、後からブリの切り身をしゃぶしゃぶにする食べ方もあるようで、お好みの食べ方を見つける楽しみもありそうです。
やっぱり冬は野菜の栄養もたっぷり取れて体も温まる鍋料理は鉄板ですね!
今回、初めていりやき鍋を作って食べてみましたが、あらから出ただしと、ブリと鶏肉から出た脂が白菜などの野菜に染み込み予想以上のおいしさでした。また、〆のそうめんは必ず食べた方がいいです。ほっぺた落ちますよ!
それでは、次回のとんとくる家の食卓もお楽しみに!

今回使用した食材の一部は、東京都文京区小石川の「柳町青果」さんにて購入しました。こんにゃくえんま様の門前、えんま通り商店街にあります。
旬の新鮮なお野菜や果物が種類豊富で、食材選びに迷った時には親切にいろいろアドバイスもしていただけます。冬の時期は店頭でほかほかの甘~い焼き芋も作っていますよ。
おすすめの商品などは各SNSでも発信しているので、ぜひチェックしてみてください。
飲食店や家庭への配達や発送もしています。

柳町青果
住所:東京都文京区小石川2-25-12
電話:03-3811-2509
Facebook:https://www.facebook.com/柳町青果/100051033146870
Instagram:https://www.instagram.com/yanagichoseika_bunkyoku/
ブログ:https://profile.ameba.jp/ameba/yanagichoseika/