一気に寒くなり、冬将軍がひょっこりと顔を覗かせ始めました。寒い季節は鍋が恋しくなりますね。鍋蓋を上げればモクモクと立ちのぼる湯気。はふはふと言いながらみんなでつっつく鍋は、心も身体もあたたまります。今回の「とんとくる家の食卓〜郷土料理編〜」では、秋田県の「だまこ鍋」をご紹介。秋田県で鍋といえば、きりたんぽ鍋を思い浮かべる方が多いでしょう。しかしこのだまこ鍋も、きりたんぽ鍋に負けず劣らず地元の方々に愛されてきた鍋。「だまこ」とは、ごはんをつぶして丸めたもの。新米を贅沢に使って作るだまこは格別だそうで、新米収穫の季節を楽しみにしている方も多いようです。そんな秋田県の郷土鍋「だまこ鍋」を、みなさんも是非味わってみてくださいね。
ポイントは「セリの根っこ」と「半殺し」!?
だまこ鍋には欠かせない重要な食材「セリ」。地元の方々は根っこ付きのセリでだまこ鍋を楽しみます。なかでも秋田県湯沢市三関地区で収穫される「三関セリ」は産地限定のブランド野菜として有名です。今回初めて、この「三関セリ」を食べたのですが、これがまた絶品! 葉や茎の部分はシャキシャキで、根っこの部分は口に入れるとジュワっと出汁が染み出し、風味豊かでとにかく美味しい。やみつきになります。
また、だまこ鍋の主役とも言えるだまこ。先述の通り「だまこ」とは、ごはんをつぶして丸めたものですが、秋田県ではごはんをつぶすことを「半殺し」と言うそうです。米粒の食感がわずかに残るくらい、だいたい6割程度、ごはんを「半殺し」にするのが重要なポイントです!
だまこ鍋の作り方
材料[2〜3人分]
白米……2合
片栗粉……小さじ2
セリ……1束
まいたけ……100g
ごぼう……100g
長ねぎ……1本
鶏がらスープ……800cc (※今回は市販の鍋用スープを使用しました。)
鶏もも肉……200g (※今回は鶏の肩肉を使用しました。鍋に合う部位だそうです。)
白米と片栗粉以外の使用食材はこちら。
1.だまこを作ります。温かいごはんに片栗粉を入れ、すりこぎで「半殺し」にする。手水をつけて、直径3cmのピンポン玉サイズに丸める。
※だまこは、グリルやトースター、ホットプレートで焼くのも美味しいそうです。
2.セリは食べやすい長さに、まいたけは手で一口大に、ごぼうはささがきに、長ねぎは1cm幅の斜め切りに、鶏もも肉は食べやすい大きさに切る。
こちらの写真のごぼうはささがきではありません。個人的にごぼうはピーラーでリボン状にして食べるのが好きなので、そうしています。おすすめです。
3.鍋に鶏がらスープと、だまこ、野菜、鶏もも肉を入れ、火にかける。
※市販の鍋用スープを使用しない場合は、水に鶏ガラスープの素を入れ、酒、醤油で味付けしてください。もちろん、鶏のガラでイチから出汁を取ってもOK!今回は、スーパーでたまたま「比内地鶏スープ」を見つけたため、そちらを使用しました。
ズボラ筆者は、スープと食材を一度に鍋に入れましたが、気になる方はちゃんと火の通りにくいものから入れてくださいね。そちらのほうがベストなはずです。
4.アクを取りながら煮込み、鶏もも肉に火が通り、だまこにスープが染み込んだら完成!
おまけレシピ!いぶりがっこを使った大人のポテトサラダ
秋田県といえば、忘れてはいけない「いぶりがっこ」。大根を燻して漬けるいぶりがっこは、燻製のほのかな香りと最後にふわっと残る甘さがなんとも言えない、大人の味わいです。そんないぶりがっこを使って、カリッとした食感がアクセントのポテトサラダを作ってみました。
いぶりがっこのポテトサラダの作り方
材料[2〜3人分]
いぶりがっこ……50g
じゃがいも……2個(約300g)
きゅうり……1/2本
にんじん……1/3本
たまねぎ……1/4個
マヨネーズ……大さじ2
塩胡椒……適量
1.じゃがいもは皮をむき、芽を取ったら一口大に切り、5分程水にさらす。その後、耐熱皿へ入れラップをし、電子レンジ(600W)で5分加熱する。じゃがいもが柔らかくなったら、熱いうちにフォークの背でつぶす。
2.きゅうりを輪切りにし、塩(分量外)を振って手で揉み込み、10分置く。
3.にんじんはいちょう切り、たまねぎはみじん切りにし、耐熱皿に移しラップをし、電子レンジ(600W)で2分加熱する。いぶりがっこは1cm角に切る。
4.1に、水気を絞った2と3を入れ、マヨネーズと塩胡椒で味付けし、完成!
今回は秋田県の郷土料理「だまこ鍋」をご紹介しました。
だまこが“しみしみ”になったら崩して食べるも良し! 次の日さらに“しみしみ”になったものを食べるも良し! 私は、次の日のスープにうどんを入れて食べましたが、うま味が凝縮されていて最高に幸せな食べ物に進化していましたよ。
それでは、次回のとんとくる家の食卓もお楽しみに!
今回使用した「三関せり」「まいたけ」「いぶりがっこ」は、JR有楽町駅中央口より徒歩1分のところにある「秋田ふるさと館」さんにて購入しました。こちらのお店では、秋田県の銘菓・食品・お酒・民工芸品などを販売されています。
いぶりがっこは、メーカーや製造方法によって風味が全く違ってくるそうです。今回は、初心者でも食べやすい商品をお店の方に選んでいただきました。チーズに合うものもあるそうですよ。とても気になりますね。
株式会社秋田県物産振興会
HP:http://www.a-bussan.jp
[直営店]
秋田ふるさと館
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館1F
TEL:03-3214-2670