つたえる

えど丸くんはこうして生まれた― 前編 ―

今回はとんとくるスピンオフ企画です。

とんとくるを運営している私たち江戸クリエート株式会社、実は公式キャラクターがいるんです。彼の名は「えど丸くん」。
えど丸くんのプロフィールはこちら

毎日ひっそりSNSでつぶやいたり、お散歩と称してひょっこり皆さまのもとを訪問したり…。ゆっくりとですが活動の幅を広げ、少しずつ世の中に認知(!?)され始めています。

今回はそんなえど丸くんが生まれるに至ったエピソードを紹介したいと思います。題して「えど丸くんはこうして生まれた」。
とんとくるをご覧いただいている方の中には、企業や店舗の運営・広報に携わる方も多いので、少しでも皆さまの活動の参考になれたら…なんて思います。

それでは「えど丸くんはこうして生まれた」、どうぞ!

 

【メンバー紹介】

テルオさん。笑うセールス担当 兼 眠っていたえど丸くんを表にひっぱり出してきた人。望んだわけではないけれど他人に振り回されがちな人生を過ごしている。休日は近所の子供たちのおもちゃ的な存在として重宝されているらしい。
ハナさん。入社2年目のイラスト担当。
最近は来る日も来る日も集中してえど丸くんを描いているため、電話に出るとき「えど丸くんじゃ」と言いかけてしまったとか。いろんな意味で毎日が緊張の連続。
モグラさん。えど丸くん生みの親で二児の父。
裏路地に漂う風情とその無防備さがたまらなく好き。ついでに歴史好き。
“そうそうそう”と“まぁまぁまぁ”が口ぐせ。

 

祝福されて生まれてきたものの…

いやー、やっと軌道に乗ってきましたね、えど丸くん。
SNSのフォロワーもだんだん増えてきてるし、応援のメッセージを送ってくれる方までいる。すごく励みになりますよね。
長かったもんね、ここまで来るの。
私はしっかり活動してる今のえど丸くんしか見てないから、生まれた経緯とかキャラ設定を全然知らないんですよね。そもそもなんですけど、キャラクターを作ることになったきっかけって何だったんですか?
そっか、ハナさんはあの頃まだ入社してなかったね。
3年ぐらい前の話なんだけど、社員のモチベーション向上とか仕事の質の改善について意見やアイディアを出し合う企画会議があって…。
「社内活性化会議」ね。なかなかお堅いネーミングでしたね(笑)
それで「会社のキャラクターを作ろう」っていう企画が採用されたんですよね。社内でキャラクター案を公募して、15作品ぐらいの中から最終的に投票で「えど丸くん」に決まったんです。
へぇー、チームを組んでスタートしたプロジェクトじゃなかったんですね~。
本当はそうしなきゃいけなかったんだよね。プロジェクトチームを組んでそのあとの展開も計画して…って。だけどなんとなーく勢いで始まって、ちょっと盛り上がって社内は活性化したんだけど…。
展開を全然考えてなかったんですよね、そのあとの。案の定、そのとき限りのイベントで終わっちゃったって感じです。ちなみに私のボツ案も日の目を見ることなくお蔵入りに…。
それから表に出すきっかけがないまま2年も経っちゃいました、と。
はい。
面目ない。

こんなにほっとかれるなんて思いもしなかったのじゃ…

 

おしえて、君の名は

ところで生みの親のモグラさんに聞きたいんだけど、えど丸くんの名前って…
“くん”までが名前なの?とか聞いたりする?
ええ。
えど丸くんはえど丸くんであって…だから“えど丸”と呼ばれるとちょっと違和感が…。僕の好きな“さかなクン”だって“さかな”と呼ぶ人は誰もいない。
好きだったんですね、さかなクン…さん。

 

 

もちろん江戸クリエートのキャラクターだから“えど丸くん”にしたんですよね?
ひとつはそう。ウチの社名ってこういう企画のとき、ある意味で“オイシイ”と思った。
「江戸」っていうワードは色々なものが連想できるからねぇ。
そうだね。名前を考えたときイメージで最初に浮かんだのが江戸の象徴・江戸城だった。そのあとにも色々考えたけど結局最初のイメージが強くて…それで江戸城本丸から名前を頂戴することにしました。
なるほど~!
“江戸城本丸”あらため“えど丸くん”ですね。見た目と違って壮大ですね(笑)
ここで江戸城本丸の天守とえど丸くんの関係性についてちょっとした小話が…
天守というと…姫路城とか熊本城みたいな立派なアレですよね?私そんなに詳しくないんですけど江戸城の天守って…火事で焼失しちゃったんでしたっけ?
そう。江戸城の天守は江戸の大火で燃えて以来、ずっと再建されることはなかったの。あれだけ長い江戸時代の中で天守が存在したのは最初の50年間ほどだったらしいよ。
他の城の場合、修復したり再建・改築したりして天守を残すことが多いですよね?
天守再建の計画は進んでたんだけど、土台が出来上がって「さぁ天守閣を作ろう」ってところで将軍の後見人だった保科正之が待ったをかけた。
そんなもんはいらん!と。
はい。この保科正之という人がとにかく優秀で男気のある人で…ま、その話は置いとこう。さて、どうして待ったをかけたんでしょうか。
天守って威厳とか権力の証ですよね?わざわざそんなもの示す必要がないくらい平和な世の中になってたってことじゃない?それか…上まで登るのが大変だったからいっそなくしちゃえと思った、とか。
えーっと、城下町の復興もしないといけないしなぁ…。家を失くして困っている人たちをそっちのけにするわけにもいかないし、天守を再建してる場合じゃなかったんじゃないかなぁ…だから、天守よりも城下の民を最優先した!!どうでしょう、この回答。
おや…すごい、大正解。天守ってさ、簡単に言うと大きい櫓なんだよ。要するに戦のときの物見とか武器庫、あとは籠城なんかの拠点に使うものだったわけ。
ということは、平和なときには使い道がないってことですね?
もうそのころは大名統治のシステムもばっちりだったし、戦が起こる心配のない平和な世の中だったんだよね。そんな時代に権力を誇示することが本当に必要か、だったら民のためにお金を使おうじゃないか!ってことで天守は再建されなかったの。

 

 

へぇ~、天守のない江戸城こそが平和を象徴する江戸の風景だったんですねぇ。…えーっと、ところでなんで天守の話なんでしたっけ?
なんでって、その一連の流れこそがえど丸くんの名前の由来につながってくるわけですよ。
えーっと、どういうことでしょうね。
つまり自分の格好や見た目やプライドなんかよりもみなさま・お客様のために献身的に働きかける、まさに江戸城の精神を持ったキャラクターであって欲しいという思いを込めてえど丸くんと命名したのです!(早口)
なるほど~。
でも…
あと付けだよね?
こじつけですよね?
…上出来でしょ?

ということで前編はここまで!
次回の後編ではえど丸くんのデザインについてお伝えしていきたいと思います。
それでは、どうぞよしなに~。