つくる

第1話 捨てる紙あれば拾う紙あり

ひらめく

紙が余っている。

神っている、ではない。紙が余っているんです。

 

紙があまっている

 

欲しいものはなかなか手に入らないけれど、余分なものは放っておくとたちまち積み重なっていく。
ずんずんと。

世間の雰囲気に背くようだけど、仕事柄どうしてもそこそこの量の紙を使うんです。
だから来る日も来る日も余った紙を廃棄し続けなきゃならない。“ごめんなさい”の雰囲気を匂わせながら。

この紙の山もリサイクルされればもう一度いっぱしの姿になって日の目を見ることにはなるけれど、その前にもう一花咲かせてあげようじゃないの。

ということで、この紙を使ってなにか作ってみよう。

 

あたまをひねる

紙で何ができるか考える。

ひとつ、ちぎる。
いちばん原始的な加工法。加工と呼ぶのも差し出がましいほどの加工法。
歩き始めの子供にだってお手のもの。それにしても子供って、大事なものほど破きたがるのはなんでだろう?

 

紙をちぎるorやぶく

 

ふたつ、切る。
ハサミ、カッター、工作の基本。身近な道具でできる馴染み深い加工法。
種類もたくさんあって切り方のバリエーションも豊富。8月3日はハサミの日なんだってさ。

 

はさみできる

 

みっつ、折る。
道具はいらない。10本の指の繊細さがすべての生命線。
今のところツルを折るのが精いっぱい。残念。

 

紙をおる

 

あとは…

巻く、貼る、丸める….云々。

最初はなるべく簡単なほうがいい(続かないと困る)。
時間がかからず、道具は身近にあるもので作れたほうがいい。
あって邪魔にならない、もっと言えば役に立つものがいい。

まずは切ることから始めよう。

 

 

イメージする

タイトルを切り絵で作ることにしよう。
このページの顔、タイトルロゴをいい感じに仕上げたい。

第一印象はやっぱり見た目が大事だ。
どんなにキレイごとを並べたって、見た目が良いに越したことはない。美女と野獣の物語に出てくる野獣の人だって、結局のところ呪いが解ければただのハンサム王子だった。
やっぱり見た目は大事。

まずはイメージ。

 

切り絵イメージ

 

・・・あくまでイメージだから、うん。
これを整える。

 

イメージをきれいに整える

 

きれい。テクノロジーってすごいよね。

これを反転させて印刷。裏は全面黒で塗りつぶす

 

イメージを反転

 

デザインカッターとカッターマットを用意。
これに刃を入れていく。

楽しくなってきたよ、だんだんと。

 

デザインカッターで切り抜く

 

地味で地道な作業だ。
誰が評価してくれるわけでもないけれど、こうやってひとつのものに向き合って一人黙々とやる作業はわりと性に合っているのかもしれない。
休日にせこせこと一人でキッチンをきれいにしている感覚に似ている。
終わったあとの達成感と、決して誰も評価してくれないところが。

見返りを求めているわけではないからいいんだけどさ、別に。

 

 

形あるもの

完成。
「紙々のあそび」

 

切り絵完成

 

次回からこれをタイトルロゴに使おう。

作り終えて思ったのは、思いのほか心が満たされたことと、このペースじゃ紙の山は減っていかないってことだ。

だってA4用紙を1枚使っただけだもの。紙が増えるペースのほうが桁違いに早いんだもの。
どれだけこなしても迫ってくる普段の仕事と何ら変わりないじゃないの。

とりあえず今回はここまで。
反省と課題を抱えながら次回へ続くのです。

 

 

-追記-


影絵にして揺らしてみました。
ゆらりゆらり。

 

切り絵ゆらゆら