イロドリの世界

第1回【木版を彫ってみる】

【登場人物】


S村課長(入社8年目)3児のパパ


ノザワ(社員 入社6年目)趣味:競馬

 

 

 

「ノザワさん、ノザワさん。
印刷についての連載を1本持ってくれって言われたんだけど
手伝ってくれない?」


「申し訳ありませんが、仕事が忙しいので無理です。」


「…」


「…」

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

こちらのページでは印刷の歴史を辿りながら

流行の「やってみた系」で進めていきたいと思います。

第1回では印刷のはじまりとも言える飛鳥時代~奈良時代について紹介しつつ

実際に自分たちで木版を作ってみることにしました。

 

 

「印刷のはじまりは7世紀頃、中国から日本に伝来したと言われているんだ。
木版印刷といって、木を彫ったものを版にして紙に刷っていくんだね。
小学校のときに授業で教わった【版画】みたいなものだよ」


「その話、長くなりますか?」


「…」

 

現在発見されている日本最古の印刷物は『百万塔 陀羅尼(ひゃくまんとう だらに)』というもので、奈良時代に作成されました。

世の中の平安を願う経文を印刷して寺院に納めたと言われています。

100万枚を印刷するのに6年近い年月が費やされたそうです。

これらの経文は木版で刷られたと推定されていますが、近年の研究では、100万巻もつくられたことから、銅版に文字を鋳造して印刷したという説も唱えられています。

 

 

 

数日後…


「ちょっと見てよ!
昔は5年掛かったっていうけど、オレは2日で彫ってきたぜ!!」

 


「……。(この人、土日にこんなことしてきたの…)」


「あっ、これ、ダメじゃないですか?」

 


「そんなこと言わないでよ!
たしかにちょっと下手っぴかもしれないけど…」

 


「違いますよ課長コレ、さかさまじゃないですか?」

 


「…え?」

 


「ガーン」

 

【木版印刷のしくみ】

① 木版にインクをつける

② 用紙を重ねて上から圧力を掛ける

③ インクが用紙に密着する

 

 

よって、版下は作りたい文字や絵柄と逆向きに彫らなくてはいけません。

 

 


「…。」

 


「…しようがないなあ。
こうやってやるんですよ!」


「ホリホリ… ホリホリ…」


「あっ!!!!!!!!!!!!!」

 


「…。」

 


「1週間かけて彫ったのに…。
一度でも失敗したら全部やり直しだなんて…」

 


「やっぱり、最初からイラストを入れるのはハードルが高すぎるよ!!
版の難易度を少し下げよう…」

 

 

 

 

 


「で、できたーーー!!!!!」


「やった! やった!
課長! さっそく刷ってみましょうよ!!」

「待って!!
せっかくだから、紙もイチから作って
そこから印刷してみようよ!」

 


「えっ…。」

 


「それ本気ですか…………。」

 

次回!
【紙を漉(す)いてみる】
お楽しみに♡♡♡

 

 

 

 


「信じられない…。」

 

 

 

 

参考文献:「工業高等学校印刷術教科書」 ヨゼフ・ナジ 著