二十四節気に思ふ

秋分に思ふ

2019年9月23日は、24節気の十六番目の節気となる「秋分(秋分)」。昼と夜の時間が同じで、真東から陽がのぼり、真西に沈んでく一日となります。この頃になると、鱗雲(うろこくも)が見えるようになり、金木犀の香りも感じるようになります。そして大切な田植えの刈り入れが始まり、黄金に輝く稲穂が美しい頃です。

秋分の日の前後を彼岸といいますが、なぜ秋分が彼岸といわれているかをご存知でしょうか。仏教の考え方になるのですが、彼岸とは“煩悩を脱した悟りの境地”を意味しているようで、迷いや苦しみの原因となる煩悩のない、悟りの境地に達した世界、極楽浄土のことのようです。この極楽浄土は、真西にあるといわれていて、そのため太陽が真西に沈む秋分の日が、彼岸となっているようです。

では、なぜ極楽浄土は西となったのか。これには諸説あってポピュラーなのは、「阿弥陀仏が西に創った」というものですが、ユニークなところでは、インドの西にシルクロードがあり、その交易で繁栄していたオアシス国家こそが極楽のようであったというところから伝説となったというものもあります。朝陽は生で、夕陽は死を表わすともいわれていますが、確かに陽が沈み闇に向かう西方には、生あるものが必ず行き着く世界があると考えられ、そこは彼の岸であり、極楽だと考えたのはなんとなく理解ができます。

現代においても、リゾートといわれているところの共通したひとつに“夕陽が観える”というものがあります。人間の本質として、昼の白い世界から、光彩鮮やかな時間を経て紺色の世界に向かう、陽の沈む時間は心地いいものであることは間違いありません。朝陽の高揚のそれとは違い、柔らかに内省できる大切な時間なのだと感じています。

「暑さ、寒さも彼岸まで」これからは一気に季節が進んでいくことを実感するようになります。二十四節気のひとつの節目でもある秋分、先祖を思いゆっくりと夕陽を眺めることができるといいですね。

「二十四節気に思ふ」は、今回が最終回となります。
1年間ご愛読いただき、ありがとうございました。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
太陽の黄道上の位置を24等分して決められた定気法を用いた太陰太陽暦(旧暦)。
いまなお生活暦として季節の指標となっています。
文:西村公志(にしむらこうじ) マーケティングコンサルタント
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「マーケティングとは豊かな未来を語ること」という理念の基に法人や個人のコンサルティングを行っています。