二十四節気に思ふ

小暑に思ふ

2019年7月7日は、24節気の十一番目となる「小暑(しょうしょ)」。梅雨の終わり、集中豪雨の発生しやすい頃です。日に日に暑さが増し、いよいよ夏を実感するようになります。
7月7日は七夕でもあります。一年で重要な五節句のひとつにも数えられているお祭りです。七夕と聞けば、織姫と彦星とのロマンを想い起こしますが、元はお祭りとして願掛けをしていた「棚機(たなばた)」というものが始まりともいわれています。
禊(みそぎ)といわれる行事で、乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈り、人々の穢れをはらうというものだったようです。
昔日から、島国で自然災害の多い日本には、独自の文化と宗教観が育まれ、善と悪的な二元論ではなく、見えないものへの畏敬をこめた祈りというものが日常のあらゆるところにあり、その中にはユニークなものもあります。

夏の風物詩的な東京は浅草・浅草寺のほおずき市。7月9日と10日の両日に行われることが決まっている縁日です。「ほおずきの実を水で鵜呑み(丸飲み)すれば、大人は癪(なかなか治らない持病)を切り、子供は虫気(腹の中にいると考えられた虫による腹痛など)を去る」という民間信仰があったそうで、ほおずきを求める人々で賑わっています。

縁日には「功徳日」というユニークものがあります。功徳日とは、その日に参拝すると100日、1,000日分などの功徳が得られるという特別な日を指します。功徳日は、寺社によって異なりますが、ほおずき市の開かれる浅草寺では、月に1度、年に12回の功徳日を設け、このうち7月10日は最大のもので、46,000日分の功徳があるとされ「四万六千日」と呼ばれている最も功徳の多い縁日のようです。
この46,000という数の由来は諸説あり、米の一升が米粒にして46,000粒にあたり、一升と一生をかけたともいわれているそうです。46,000日はおよそ126年に相当し、人の寿命の限界ともいえるため「一生分の功徳が得られる縁日」であるということなのかもしれません。もっとも、遠くない未来には126年以上生きるようになり得るのでしょうね。

たった1日のお詣りで一生分の功徳を得る、なんだかキャンペーンのようなものですが、この時季のお詣りには何かしら意味があるのかなとも感じている小暑の朝です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
太陽の黄道上の位置を24等分して決められた定気法を用いた太陰太陽暦(旧暦)。
いまなお生活暦として季節の指標となっています。
次気は7月23日「大暑(たいしょ)」となります。
文:西村公志(にしむらこうじ) マーケティングコンサルタント
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「マーケティングとは豊かな未来を語ること」という理念の基に法人や個人のコンサルティングを行っています。