二十四節気に思ふ

小満に思ふ

2019年5月21日は、24節気の八つ目となる「小満(しょうまん)」。「万物盈満すれば草木枝葉繁る」と暦便覧には記されています。文字通り木々が生い茂る頃です。ちなみに秋に撒いた麦の種も穂をつけるようになりほっとした、ということで「小さな満足」という説もあるようです。

「小さな満足」という考え方がある反面、欲求というのは止まるところはありません。社会的価値よりも経済的価値が求められる風潮がまだ色濃く残っています、成熟とはいったい何のことなのでしょうか。
市場には貨幣が無尽蔵に増えることはありません。有限のものが循環していれば市場は健全に維持できているのですが、無限のように勘違いしてしまい、市場にあるもの全てを求めてしまうと、その歪みはどうしても弱者に表れてしまいます。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズが最後に語っていたこととして広くシェアされている言葉があります。これは本人のものではないとも言われていますが、米国や日本で多くシェアされているという事実はそれだけ共感者が多いということ。真偽はともかく、このような一説が伝えられています。
「私がずっとプライドを持っていたこと、認証(認められること)や富は、迫る死を目の前にして
色あせていき、何も意味をなさなくなっている。」

小さな満足を積み重ねること、とはストレスと対峙するために大切だといわれています。事業も人生も思うばかりには進むわけではなく、厳しい時の方が多いのかもしれません。一攫千金で大きな満足を得ようとするのではなく、眼の前にある小さな目標を一つずつ達成していくことが大切なのだと、農業を見ていて実感します。
土を肥やし、種を撒きます。そして、水をやり、雑草や害虫を取り払う作業を何度も何度も繰り返し、ようやく実をつけてくれるのです。それでも収穫までは気を抜けません。そのひとつひとつの作業を疎かにしていては収穫することはできないのです。
一つ一つの作業の成果に満足し、それを積み重ねていくこと。
素敵な生き方だと思う「小満」の生き生きとした朝です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
太陽の黄道上の位置を24等分して決められた定気法を用いた太陰太陽暦(旧暦)。
いまなお生活暦として季節の指標となっています。
次気は6月6日「芒種(ぼうしゅ)」となります。

西村公志(にしむらこうじ) マーケティングコンサルタント
https://normcoremarketing.com/
「マーケティングとは豊かな未来を語ること」という理念の基に法人や個人のコンサルティングを行っています。