二十四節気に思ふ

雨水に思ふ

2019年2月19日は、二十四節気の二つ目となる「雨水(うすい)」。雪が雨に変わり雪解けの始まる頃。田畑を潤す雨となり、農耕を始める目安となっているようです。強い南風の春一番が吹くのもこの頃とされています。二十四節気は1年を24の季節に分けているものですが、さらに細かく一節気を初候/次候/末候という三つに分けた七十二候というものがあります。雨水の初候は二十四節気を制定した中国では「獺祭魚(だっさいぎょ)」となっており、獺(かわうそ)が獲った魚を並べて食べる様子を、人がお供えをして祭っていることに見立て表現するようになったようです。

この獺(かわうそ)は日本では2012年に絶滅宣言がされています。その背景には、外貨獲得や世界大戦時に防寒具として毛皮を求め乱獲が続いたことで、保護に乗り出した時には既に手遅れという状態だったようです。需要が高いかぎりは違法であっても供給はなくなりません。それは毛皮だけでなく、牙や角でも同様です。これが自由主義経済の歪みのひとつです。

ご存知のように、昨年末に日本はIWC(国際捕鯨委員会)から脱退し、7月から日本の領海と排他的経済水域(EEZ)において商業捕鯨を再開することを決定しました。これによって鯨は獺の二の舞となるのか懸念されますが、そうはならないと感じています。現代における鯨肉の需要はきわめて小さなものですから、内需のための乱獲というのは考えられません。実際にこれまで調査捕鯨目的で得た鯨肉は余剰在庫していると云われていますし、すでに遠洋捕鯨は商業的には成立しておらず、調査捕鯨も国費で賄いながら行っていたというのが実態です。

IWC脱退の大きな理由は日本の食文化の保護ということ、戦後食料の乏しかった日本においては貴重なタンパク源として重宝されてきたという歴史があります。実際に鯨という食資源で生活を賄い、それをひとつの御馳走だと感じる文化もあるのですから、この食文化を保護しようという思いは理解できます。ただ鯨が政治利用の媒体となることのないように、私たち有権者はしっかりと今後の推移を監視しなければならないように感じています。
過去に学んできた経験をしっかりと活かし、それぞれの文化を尊重した調和のとれた社会でいられるような雪解けとなるといいですね。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
太陽の黄道上の位置を24等分して決められた定気法を用いた太陰太陽暦(旧暦)。
いまなお生活暦として季節の指標となっています。
次気は3月6日「啓蟄(けいちつ)」となります。

西村公志(にしむらこうじ) マーケティングコンサルタント
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「マーケティングとは豊かな未来を語ること」という理念の基に法人や個人のコンサルティングを行っています。